【3Dモデリングでお困りの方へ】難解な図面から3次元形状をモデリングするには

図面から3次元形状をモデリングするには、図面から3D形状を解読することになります。
ハイブリッドCADなら、難解な図面でも比較的ラクにモデリングできます。
Cimatron課の戸村です。
2次元図面から、3次元CAD(以後3DCAD)で3次元形状を作成されていませんか?
難しい図面で苦労されていませんか? サーフェイスとソリッドが融合したハイブリッドCAD/CAMであるCimatronなら、難しい図面でもラクにモデリングすることが可能です。
なぜCimatronならラクなのでしょう。
3次元CAD利用技術者試験のサンプル問題を例に、その理由を説明します。
これからご紹介する内容は、以下に該当する方を対象としています。
- 図面からモデリングされている方
- サーフェイスCAD or CAMの経験者
- ソリッドCAD or CAMのモデリングでストレスを感じている方
- 3Dのモデリングに関心のある方

目次
難解な2次元図面
2次元の図面から3次元形状をモデリングするのは、担当者にとってかなり負担の大きい仕事です。
全ての3次元の形状を2次元の図面上で完璧に表現することには限界があるからです。
図面に「それなりに滑らかに」といった表記があるのもそのためです。
担当者は、2次元の図面から3次元形状を解読しなければなりません。
それでは難解な図面の例を見てみましょう。
3次元利用技術者試験 1級/準1級のサンプル問題として公開されているものです。
赤丸で囲った部分の形状はどうなっているのでしょうか?
モデリングの順番が重要なソリッドCAD
ソリッドCADのモデリングは、粘土細工に似ています。
基本的な操作は3つです。
- 付け足す
- 削り取る
- 変形する
重要なのはこの順番です。
仕事の段取りと同じです。
難解な箇所は後回しにしましょう。
ここでは「②切り取る」で最後に仕上げます。そのため、図のように大きめにモデリングします。
この形状までのモデリングは十人十色です。
参考までにモデリング順番の例は以下の通りです。
わからない形状→わかるようになるポイント
1)図面の線を3次元で作図してみる
2次元図面に描かれている線を3次元形状に作図してみます。
実はサーフェイスCADのモデリング手法です。線1本でも、わかるところから作図してみるという方法です。
ここまでは、多くのソリッドCADでも可能です。
2)面を線で切り取ってみる(ハイブリッドCAD)
1)で作図した線を使って、面の不要な部分を切り取ります。
こうして不明な部分を絞り込みます。
不明だった形状が、だんだん見えてきませんか?
Cimatronなら「面トリム」機能を使うだけです。まるでサーフェイスCADのように面を切り取れます。
Cimatronではこの状態でもソリッドです。それまで「閉じて」いたものが「開いた」だけです。
ソリッド→サーフェイスに変換する必要もありません!
3)開いたところを面でふさいでみる(ハイブリッドCAD)
開いているところに面を作成します。
開いているところがうまく塞がりました。
図面に描かれている線も、各方向から見えます。
図面をひたすら眺めて想像力を苦使するよりもラクです!
ちなみにこの状態では、作成した2つの面と開いたソリッド形状は別々の存在です。
CimatronのCAM機能で加工する上では、これで十分です。
4)形状が判明したら閉じたソリッドにする(必要な場合のみ)
必要なら、閉じたソリッドにできます。「面接合」機能を使って、透明な瞬間接着剤で接着します。
2)で開いてしまったソリッドと、3)で作成した面を接合します。
接合するために、開いたソリッドを面に変換する必要はありません。
面がグループ化されているもの(=開いたソリッド)に、別の面を追加してあげるだけです。
閉じていなくてもソリッド・・・それがハイブリッド
図面のわかりにくい部分は、余計な面が無い方が分かりやすくないですか?
サーフェイスCADならこのような状態は普通です。
ソリッドCADの場合、ソリッドとしてはNGです。面に分解する必要があるでしょう。
ハイブリッドCADであるCimatronでは、ソリッドのままで可能です。
開いたソリッド(厚み=ゼロ)になるだけです。

まとめ
図面を見て3次元形状を理解することは簡単ではありません。
形状がわからない部分を空=面が無い状態にできれば、不明だった形状がわかりやすくなります。
開いたソリッドが可能なハイブリッドCADなら簡単です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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