【射出成形金型メーカー】Cimatronの機上測定機能を活用し、自動化ラインの効率と安定性を両立させた成功事例【ALPLA社グループ】

本記事では、金型製造向けCAD/CAMシステム「Cimatron」の機上測定機能を活用し、放電加工を含む自動化ラインの効率と作業安定化を実現した事例を紹介します。
会社概要
オーストリア・フォアアールベルク州ハルトにあるAlplaグループでは、高品質なパッケージング製品の製造を手がけています。グループ内の歴史ある製造拠点では、主にPETボトル用のブロー成形金型と、そのネジキャップ用の射出成形金型を製作しています。
こうした金型製作において、データの整合性や工程の安定性や安全性を高いレベルで確保するため、CimatronのCAD/CAMシステムを導入し信頼を寄せています。
機上測定の品質
CAD/CAMソフトウェアのCimatronは、高精度なCNC機械向けの特定寸法を正確に測定するためのデータを生成します。この測定には、用途に応じたさまざまな測定サイクルが用意されています。Alpla社では、金型担当者が電極や加工されたワークを機械上で測定し、出荷時に求められる精度を確保しています。測定結果が公差を外れた場合には、その情報が自動生成される測定レポートに記録されます。

Cimatronにより、Alpha社の作業現場を自動化させるために不可欠なデータが提供されます。ロボットにより配置される電極は、複合加工機と高精度な高速加工機により製造されます。
Alpla社の開発担当者であるティムヘルバック氏は、「当社の現場は非常に高いレベルで自動化が進んでいます」と説明します。「特にEDMラインは完全自動化を実現しており、4台の型彫り放電加工機に加え、3次元測定器や洗浄機も自動化システムに接続されています」。同社では、インダストリー4.0におけるデジタル技術の可能性を必要に応じて柔軟に活用することを目指していたので、その中核を担う強力なソフトウェアの存在が不可欠とされています。この考えのもと、Cimatronを慎重に検討した上で導入が決定されました。

ロボットにより、高速加工機の作業領域内に電極のブランクを配置します。Cimatronと自動化システムとの連携により加工をスタートできます。
Cimatronの導入は、まず社内での金型およびダイ設計のニーズに対応するため、CAD機能の活用からスタートしました。しかし現在では、CAM領域においても重要な役割を果たしています。Cimatronのポストプロセス担当のエキスパートによる高度な知見により、NCプログラムは非常に高い精度で作成され、加工シミュレーションの結果と実際の加工結果がしっかりと一致しています。

加工する前に、Cimatronにより干渉を確認します。デジタルツインにより、工具管理システムに登録された工具の実データで確認もしていきます。
Alpla社では、グラファイトおよび銅製の電極を用いて放電加工を行っています。ここで求められる公差は、マイクロメートル単位という高精度なものです。後工程への影響を最小限に抑えるためには、基準寸法からの逸脱がないことを保証する必要があり、そのため電極を自動化ラインの中で測定できることは、金型技術者にとって大きな利点となっています。これにより、修正が迅速かつ正確に行えるようになります。

グラファイト電極を複雑な3D形状に利用することを好みますが、密閉された面に関しては、依然として銅製の電極を使用します。
「ただし、当社の加工ラインには座標測定器は組み込まれていません」ヘルベック氏は説明します。その代替え手段として導入されたのが、製造セルに新たに追加された高速加工機です。「このマシンでは、機上で本格的な寸法測定を行うことが可能です。Cimatronにより、製品形状のデータから関連する寸法点が生成され、その情報が機械へ転送されます。これにより、加工の後すぐに寸法確認を行うことができます」と同氏は続けます。

金型には高い再現性が重要です。全てのパーツは同じ結果である必要があります。
Alpla社の金型技術者は、すべての加工プログラムをCimatron上でシミュレーションし、干渉が無いことを事前に確認したうえで、NCプログラミングの限界に挑戦しています。「追加の加工マージンを確保するために、機械側の干渉チェックのスイッチ機能を無効にすることもあります。しかし、Cimatronのシミュレーションで問題がないと確認できた場合、我々はそれを100%信頼しています」とヘルベック氏は語ります。「この信頼が、私たちの加工手法の幅を広げてくれるのです」。

Cimatronから直接、機上測定に必要な座標値が提供されます。機上測定のプロセスにより、後工程の安定性と信頼性が保証されます。
「特に私たちが高く評価しているのは、Cimatronのエキスパートたちが、常に我々の要望や提案、そしてニーズに真摯に耳を傾けてくれる点です」とヘルベック氏は強調します。「この姿勢があるからこそ、Cimatronは業界の変化を素早く捉え、実践的なソリューションを通してユーザが新たな課題に挑戦できるよう支援してくれているのです」。
協力会社 | ALPLA Werke Alwin Lehner GmbH & Co KG 様 |
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ホームページ | https://www.alpla.com/en |
所在地 | オーストリア・フォアアールベルク州ハルト |
創業 | 1955年 |
事業内容 | プラスチック製品のブロー成型金型と、射出成型金型製造メーカー |
プロフィール | プラスチック容器や包装などの設計・製造を得意としている。 |
参照元 | https://www.cimatron.com/en/customer-stories/alpla-group |
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