【プラスチック金型メーカー】部分電極の加工から測定までを無人化・自動化に成功【株式会社黒田製作所様】

本記事では、部分電極の加工から測定までを無人化・自動化に成功したプラスチック金型メーカー、黒田製作所様のCimatron事例(インタビュー)をご紹介いたします。
製品がよりまぶしく光り輝くための金型を
当社は、1975 年創立、各種プラスチック製品用射出成形金型の設計・製作を手掛け、ヘッドライトや内装部品用金型など、自動車をはじめとした様々な業界に金型を納めています。
高い精度やデザイン性が求められる部品の金型製作に強く、加工シミュレーションによる事前チェック、DNC運転による高能率加工、大型高速加工機による直彫仕上げ加工、グラファイト電極による総形一体放電加工など、数値基準の生産方式を採用しております。
さらには、型寸法検査から成形品検査まで、各工程にわたって徹底した品質管理体制を整えている事も特徴です。
労働環境が厳しい金型業界ですが、当社はこれまで環境改善のためにネットワーク技術等を活用してきました。
3D デザイン+中国の大連工場との連携や、 Windowsの出始めから CSV データを活用したデータ共有を行い、2008 年の時点では完全に3D 化を実現しています。
電極設計効率化のためにCimatron を導入
最初にCimatron を導入したのは2004 年。
現在は 5 台が稼働中で、主に金型用電極のモデリング設計に使用しています。
以前は他社のCAD を使っていましたが、直列の動きの製造では、納期が間に合わなくなってきたため、Cimatronを導入しました。
Cimatronの電極モジュールは、専用のモデリング機能を持っており、加工用データを並列に流すことが可能です。
これならば、設計工程を効率化できると考え、導入を決めました。
また、CADを扱ったことが無い社員でも、電極設計についてある程度勉強すれば、ソフトから出されるガイドに従うだけで、電極設計が出来ることが画期的でした。
当時、あそこまでの動作を実現していたCADはなかったと思います。

製造部 CAM課係長 馬場 英優氏
製造部 機械課 石谷 拓朗氏
加工から測定までを無人化したい

今回の課題は、部分電極(グラファイト)を削った後の検査工程です。
電極15極に対し3点から5点の測定を30分~1時間かけて測定していたので、段取り含めると2時間の有人作業になります。
夜間マシニングセンタが削った電極を、朝一番に機械オペレーター測定するため、その日の生産の段取りが遅れてしまうことが課題でした。
そこで、夜間の内に加工と同時に測定までを行えないか検討を始めました。
Cimatronの「機上測定オプション」を導入
きっかけはセイロジャパンさんからの、機上測定オプションのモニター案内です。
早速試してみたところ、他社のシステムよりもわかりやすく、敷居が低く感じました。
電極モジュールと連携した測定機能があり、荒電極と仕上電極を意識せずに、測定点出力から自動合否判定までを可能にした仕組みが決め手となり、導入を決めました。
もともと保有していたマシニングセンタと材料ストッカーを活かしながら、補助金でマシニングセンタを1台増設し、後工程での効率も考慮したシステムを構築しました。

無人運転により残業時間を削減
現在では、加工から測定まで無人で検査までを済ませています。
朝の時間はその日の生産の段取りに使えるようになったことで生産性が上がり、残業時間を削減出来た事が一番大きいです。
さらには、これまで紙で保管されていた測定結果のペーパーレス化に成功しました。
データの形でストックされているので、トレーサビリティの面でも環境の改善ができています。
次は工場全体の工程一元化で「見える化」を
なかなかデータとして残りにくい、電話など口頭のやり取りで行っている各部署・各工程の状況を、見える化していきたいと考えています。
今後もより効率がよく、風通しの良い現場の環境を作っていくことで、より良い製品を生み出していきます。
株式会社 黒田製作所 様
ホームページ:http://www.kk-kuroda.co.jp/
所在地:岐阜県羽島郡岐南町伏屋9丁目138番地
創業:1975年9月1日
事業内容:
各種プラスチック製品用射出成形金型の設計・製作 自動車をはじめ、様々な業界の技術課題に応える金型メーカー。
プラスチック製品用射出成形金型であれば、微細な加工を要する物から大きな物まで全てを形にします。