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【超高速荒加工】荒加工時間を大幅に短縮するVoluMillとは│製造業向けCAD/CAM/CAEシステムのセイロジャパン

【超高速荒加工】荒加工時間を大幅に短縮するVoluMillとは

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【超高速荒加工】荒加工時間を大幅に短縮するVoluMillとは

Cimatron課の戸村です。
ここでは高速荒加工オプションの「VoluMill」についてご紹介します。Cimatronのオプションです。

皆さんは荒加工の時間短縮でお困りではございませんか?
近年普及している高速加工機は、大きく切り込むような重切削に適しておりません。
そこで高速加工機の特徴(高速回転&高速送り)を活かし、超高速&高効率な荒加工を実現できるようなCAMエンジンが開発されました。 それがVoluMillオプションです。

VoluMill™はCeleritive Technologies社のCAMエンジンです。
VoluMillオプションは、Cimatron独自の機能(ホルダ干渉回避や素材認識および素材更新、段差間の追加工など)と高度に融合させた機能です。

荒加工時間をもっと短縮したい!

加工時間の短縮は、そのままコストダウンにつながり、利益増加の要因となります。

高速加工機の普及によって加工時間は短縮されたことでしょう。
形状を丸ごと放電加工する方法から、形状を直接切削加工できるようになり、製造工程全般でみても工数が削減されてきました。

ところが、素材形状から最初に削り出す「荒加工」については、その加工時間に満足されていない声をよく聞きます。

荒加工を時間短縮し、加工工程全般でも時間を短縮するにはどうしたら良いのでしょうか?




よく見られる荒加工

切込みの深さを小さくした荒加工をよく見かけます。
パーツ形状になるべく近い形状まで切削して、この後の加工時間を短縮するのが目的と考えられます。

切込みの深さが大きいと加工後の階段状の段差は大きくなり、切込み深さを小さくすると、段差は小さくなります。
段差が小さいと、この後の中荒加工または中仕上げ加工で切削する体積が少なくて済みそうです。
しかし切込み深さが小さくなると、切り込む回数は増えてしまいます。




切込み深さを小さくする荒加工の問題点とは

この方法には次のような問題があります。

  • 工具の移動経路が長くなる。
  • 刃先のみが摩耗してしまう。
  • 効率を上げようと工具径を大きくすると、削り残りが増えてしまう。

工具の移動経路が長くなる分、切削時の送り速度を上げることで問題を解決できそうですが・・・・




高速加工を妨害する課題とは

高速加工を実現するためには、次のような課題を解決する必要があります。

  • 急な方向転換
  • 負荷変動(工具負荷≒主軸負荷)

上記①については、工具の移動経路上にコーナ部に小径の円弧を自動挿入することで回避できます。

凹の角部では工具が素材に接する面積が大きくなり、工具にかかる負荷が急激に増加してしまいます。(上記②)
そこで、送り速度を自動で減速させることで負荷の増加を抑制するこができます。
しかし、減速した分だけ加工時間が増えてしまいます。




工具に優しい工具経路

VoluMillによる荒加工の工具経路には工具に負担が掛かる「コーナー」というものが存在しません。

切込み幅は常に一定であるため工具負荷も一定となり、工具にとても優しい工具経路です。
故に、送り速度を最大限に上げることが可能となります。




工具の刃長をフル活用

VoluMillによる荒加工では、工具の刃長を最大限に利用しつつ、送り速度を最大化することができます。

ソリッドエンドミルなどの刃長をフルに活用して切込みできます。切込み幅を狭くすることで、工具への負荷を軽減させます。

切削抵抗が低く、切粉が細かくなるような荒加工用工具であれば、ご使用の高速加工機で加工できる最大限に切込み幅を設定することで、切削効率を最大化できます。




加工後の段差を減らす自動追加工

切込み深さを工具刃長に近い値にすると、そのままでは加工後の段差が大きいままになってしまいます。

VoluMillオプションの荒加工は、平坦部や傾斜の緩い部分を自動認識して追加工の工具軌道を生成してくれます。




実際に加工して検証した結果

通常の荒加工

加工時間 2時間14分
送り速度 400 mm/分
回転数 1,900 rpm
切込み深さ 20mm
切込み幅 2.5mm

※上記の送り速度と回転数は工具メーカが提唱されている値です。

VoluMill荒

加工時間 23分 (83%減)
送り速度 3,400 mm/分(8.5倍速)
回転数 3,800 rpm(2倍速)
切込み深さ 20mm
切込み幅 2.5mm

機械がビビりを生じない範囲で送り速度を徐々に上げた結果、今回使用した工具では8.5倍でも問題なく加工できています。




VoluMillのメリット

工数削減

荒加工の加工時間が大幅に短縮されます。
加工時間全体においても、加工時間が大幅に短縮できます。
※従来よりも削り残りが多くなりがちですが、その分を含めても全体的には時間が短縮されます。

コスト削減

工具寿命が延びるので、工具の費用を削減できます。
工具に過負荷がかからず、切削時の熱が工具に届かないためです。
その代わり、切粉はかなり熱も持ちます。
また、クーラントはエアーが推奨であるため、切削油の節約にもなります。

導入が容易

従来の加工工程の先頭に1つ追加するだけです。
工程が1つ増えますが、加工時間は短縮できます。




是非ご検討ください

加工機の最大送りの3割も使っていない!

工具の刃先ばかりが摩耗して勿体無い!

高低差が大きい形状の加工時間を短縮したい!

このように感じておられる方は、是非お問い合わせください!






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