旋削工具ホルダーに3D形状が使えるようになりました。#大熊

リアルな干渉チェックが可能に!
近年、工作機械に衝突防止のためのシミュレーションが搭載されることも多くなり、それと同時に切削工具メーカーからも工具形状の3DデータをダウンロードしてCAMやシミュレーションに利用できる環境が揃いだしているかと思われます。GO2camでも工具定義に3Dデータ形状を使えましたが、一部の旋削工具では実物とは異なる形で設定しなければなりませんでした。そのため、それを回避するように設定をしなければなりませんでしたが、正確な値では無いためシミュレーションでの干渉がなかったと確認をしたとしても、実機では干渉しないか不安は拭い去ることができない、あるいは、実際には干渉しないのにシミュレーションで干渉が発生するというトラブルがまれにありました。
最新バージョンであるGO2cam V6.6では、これを改善し、ダウンロードした工具形状の3Dデータと正しい工具設定値により、実物と同じ形状をシミュレーションに利用できるようになりました。
具体的な設定イメージ
具体的には、ボーリングホルダーなどのチップ取り付け面にチップを合致させることができるようになり、すくい角の再現ができます。
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以前のバージョン
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V6.6
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チップ設定も簡単に
また、インサート設定には、ISO規格の呼び記号を入れることで、簡単に形状値のパラメータを入力できるようになりました。
3Dホルダーを利用したシミュレーションによる干渉検出例
3Dデータ提供先の紹介
工具形状の3Dデータを入手するには、各工具メーカーにアクセスするとダウンロードが可能な場合が多いですが、他にも工具メーカーを統括するような形でデータ提供サービスするものがあり、いくつかを以下にご紹介します。
Machining Cloud (マシニングクラウド)
スイスの会社 工具や治具、あるいは工作機械の3Dデータを提供。アカウント登録と専用アプリケーションをインストールすることによって利用可能。
ブランドメーカーごとに工具を探すので、決まったメーカーがあれば便利。登録も3Dデータをダウンロードするもの今の所無料で利用可能。
Tools United
ドイツの会社 40の工具メーカーの約90万点の工具データを揃える。ブラウザのみで利用可能。
工具タイプから探すので、複数のメーカーの工具を比較検討できる。登録と検索などは無料だが、3Dデータをダウンロードすることは有料(250円~/1工具)。
ミスミ
日本の会社 生産財のEコマース会社。切削工具の取り扱いもしている。
3Dデータをダウンロードできるのは今はまだ三菱日立マテリアルとタンガロイのみ。今後拡充予定。アカウント登録や3Dデータのダウンロードは無料。工具自体の販売も当日配送から可能。
※工具メーカからや上記サービスでも3Dデータはstepステップ形式で提供されておりますので、GO2camに取り入れる際は、stepデータ取り込みモジュールが必要になります。