株式会社ワイエム・モールド様【部品製造メーカー】電極製作とCAMで作業効率を大幅アップ

ワイエムモールド (本社:大阪府八尾市北亀井町 http://www.ym-mold.com)は、1955年の創業以来、家電製品の外観部品全般の金型を製作している。現在、携帯電話関連の部品、AV関係の外装小物部品、自動車、カメラ、通信機器関連の他、内装部品など、般消費者にも身近な製品の部品を数多く手がけ、二色成型金型技術にも強みを持っている。
同社では、2006年にCimatron を導入し、電極製作とNC加工の効率化に大きな効果をあげている。 今回は、ワイエム・モールドの松村社長、金型製造部の井口部長、設計技術課の中島氏にCimatron 導入の経緯とその効果について、話を伺った。
海外金型メーカーとの厳しい競争に直面
ワイエム・モールドの主要な業務領域である家電製品のプラスチック金型製作は、 現在海外メーカーとの厳しい競争環境におかれてい る。 十数年前から東南アジアや中国に金型製作の仕事が流れていたが、品質や納期の問題から一時日本に回帰する動きも見えていた。
しかし、最近になり、海外金型メーカーの品質面の向上もあり、現地に本格的に進出し、 仕事を移転する動きがでてきており、日本 の金型メーカーは、納期、品質、コスト面で、厳しい競争力を求められてきている、と松村社長。 同社は、家電外観部品の金型を幅広く手がけ、ひとつの製品に関わる多くの金型をまとめて製作できる能力と、二色成型金型技術などの強みを持っているが、更なる競争力の強化のため、常に新しい設備の導入を行なっており、2006年にCimatronを導入した。
電極製作のために新しいCAD/CAMを選定
Cimatron は、中島氏が雑誌のCAD/CAM特集で見つけ、セイロジャパンにコンタクトした。
電極の数が多く、電極工程効率化のためのシステムをいくつか検討したが、最終的に最も優れていたCimatronを選定した。

電極領域を選んで自動で取れる、というシステムはいろいろあるが、実際は、自動で出来ない場合が大半である。その点 Cimatron は、自動化できるところは自動で、自動化出来ないところはいろいろな支援機能を使って半自動で非常に効率よく作業ができた、と中島氏は語る。
また、コスト削減、納期短縮のためには、CAMに負担がかかり、加工現場でプログラムが出来るのを待っているという状況であり、CAM工程の改善も大きな課題であったが、この点においても効率化が期待された。
電極製作と CAM で作業効率を3倍アップ
Cimatron は、電極製作とCAMのために使用されているが従来システムに比べ作業時間が3分の1と、大幅な効率アップが実現している、と井口部長は語る。
従来、特に負荷の高かった電極製作については、モデリングと加工指示書 (セイロジャパンによるカスタマイズ) で大きな効 果が出ており、電極図面も活用している。電極のモデリングについて、豊富な半自動の機能を利用することで汎用性が高く、さまざまな形状に対してもサーフェス機能を使い自由に電極を作成することが出来、非常に効率アップがなされている。
もうひとつ、放電レスという流れもあり、出来るだけ切削加工で時間を短縮できるように実験もしているが、全部放電レスとするには、まだ多くの課題があるため、放電加工がなくなることは無い。
CAMとしては、シミュレーションソフトのベリファイヤで加工前に結果を短時間でチェックできることが予想外の効果だった。さらに、07年6月にリリース予定のCimatron バージョン8では、新しい NCプレビュー機能がつき、NC 計算前に加工結果を瞬時に確認することができるとのことで、大いに期待している。全体として、こうすれば納期を短縮できる、という道筋が見えてきており、増設も検討中と、井口部長。
厳しい競争下で、納期の短縮、コスト削減と、大変な努力を必要とされている金型業界であるが、金型製作は、様々なノウハウを必要とする仕事であり、海外ですぐ簡単に出来るというものではない。
松村社長は、「これからもCimatronEにも更に機能を強化してもっともっと良くなって欲しい」と期待を語る。
現在の社名ワイエム モールドの由来は、"Youth" (若さ)、"Manufacturer" (技術者) から来ているという。


インタビューご協力
協力会社 | 株式会社ワイエム・モールド 様 |
---|---|
ホームページ | https://ym-mold.com/ |
所在地 | 本社:大阪府八尾市北亀井町 |
創業 | 1955年 |
事業内容 | 精密プラスチック金型の設計・製造販売 |