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Moldex3D導入事例│製造業向けCAD/CAM/CAEシステムのセイロジャパン

サンケン電気株式会社様【半導体デバイスメーカー】パワー半導体の開発期間短縮に貢献、樹脂封止工程の設計精度を大幅向上

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サンケン電気株式会社様【半導体デバイスメーカー】パワー半導体の開発期間短縮に貢献、樹脂封止工程の設計精度を大幅向上

パワー半導体の開発期間短縮に貢献、樹脂封止工程の設計精度を大幅向上

1946年創立のサンケン電気(本社:埼玉県新座市)は,日本の半導体の草分けとなった企業の一つである。現在は,高耐圧・大電流を扱うパワー半導体デバイス,液晶ディスプレイのバックライトに使う冷陰極放電管,無停電電源装置やスイッチング電源などの電源応用装置などを手掛けている。同社でMoldex 3Dを導入を中心となって推進したのは,技術本部 実装技術統括部である。


開発期間の短縮が課題に

左より、藤本一郎氏、大美賀孝氏、高坂雅之氏

同部署は,半導体デバイスのパッケージに関連した技術開発を担当している。Moldex 3Dは半導体チップを封止する樹脂パッケージの開発工程に導入した。同社が提供しているパワー半導体デバイスの多くは熱硬化性樹脂で封止されている。ICチップを封止する工程では,金型を使って樹脂を成形する。このときに,金型の設計はもちろんのこと,パッケージ形状や樹脂材料の特性などが最適化されていないと,樹脂が金型全体にうまく行き渡らずにパッケージに空洞や孔ができるなどの成形不良が発生する。3次元シミュレーションを駆使し,パッケージおよび金型の設計精度を向上すれば,こうした問題を未然に防止できる。

同部署がCAEツールに本腰をいれた大きな狙いの一つは,設計工程の効率化によって製品の開発期間を短縮を図ることだった。家電製品を筆頭に多くの分野で,市場における製品サイクルが短くなっている。このためユーザーのニーズにタイムリーにこたえるには,半導体デバイス・メーカーにとっても開発リードタイムの短縮は大きな課題だ。
「従来は試作用の金型を使って実際に成形してから設計を検証していました。この場合,最初の試作金型でうまく成形できるケースはまれです。ところが,金型を作り直すには1カ月から1カ月半の期間を要します。再試作にかかる費用の負担も軽くはありません」(同社実装技術統括部実装技術開発グループの高坂雅之氏)。
3次元シミュレーションを導入すれば,試作金型を作る前の設計精度を向上し,設計変更にかかる時間を省ける。

シミュレーション精度の高さを評価

CAEツール導入のもう一つの狙いは,若い技術者の技術力を向上することだという。
「金型内の樹脂の流れは人間には見えません。このため,これまでパッケージの設計は特定の技術者の経験に基づくノウハウに依存するところが少なくありませんでした。こうしたノウハウをベテラン技術者から若手技術者に継承するのは簡単なことではありません。この問題を解決するために,3次元CADおよびシミュレーション・ツールの導入は不可欠だと考えていました」(同部同グループの藤本一郎氏)。
同部が実際に3次元CADを使った設計を始めたは2002年ころである。さらに2004年ころからMoldex3Dを本格的に設計に導入し始めた。Moldex3Dの採用を決めるまでに,同社は複数のCAEツールを検討したという。
「複数検討した中で,もっとも精度が高かったのがMoldex3Dでした。積極的に機能や性能の向上に取り組む姿勢を感じたことも,製品を選んだ理由の一つです」(同社個別製品技術統括部実装技術部の大美賀孝氏)。

問題の早期解決に貢献

同社は,すでに開発中の製品のパッケージ設計にMoldex3Dを使っている。その中のあるインバータ・モジュールでは,問題の早期解決にMoldex3Dが役立ったという。
当初設計したパッケージでは,試作段階で成形不良が発生してしまった。そこで,Moldex3Dを使って金型の樹脂流動を解析したところ,シミュレーション結果においても実際と同じ問題が発生した。この結果に基づいて,パッケージ形状を再設計し,Moldex3Dを使って成形時に問題が発生しないことを検証し,短時間で問題を解決できたという。
「これまで成形不良が発生した場合,金型を作り直す時間を抑えるために,樹脂の特性を変えることで対応することが少なくありませんでした。ただし,この手法では,製品の種類が増えるとともに,使う樹脂の種類も増えてしまう恐れがあります。Moldex3Dは,材料コストの効率化にも役立っているといえます」(藤本氏)。
同社では,設計工程の効率化に向けて3次元設計をさらに進める方針である。
「当面は新たな設計手法を現場に定着させるために,設計者の育成に力を入れます」(高坂氏)。同時に,今後のMoldex3Dの進化も期待しているという。
「使いやすさを維持しながらシミュレーション機能を向上し,現状では網羅しきれていない現象がどんどん検証できるようになると有り難いですね」(大美賀氏)。

 

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