株式会社寿原テクノス様【鋳造金型メーカー】モデリング時間の短縮

CimatronEの能力を十分に生かし、更に有効な活用法を追求
名古屋駅から車で30分ほどの愛知県稲沢市に株式会社寿原テクノスが新工場を建築したのは、2006年6月のことであった。ダイカスト金型を製造する同社は、芸術的な分野とされてきた金型製作をCAD/CAMの積極的な導入により「芸術域から技術域へ」と変貌させ、金型の精度、信頼性を向上させてきた。(当社のパンフレットより)まだ新しい工場の中は、確かに隅々まで整然と整備され、生産管理ソフトで工程管理を行うなど、随所に管理が行き届いていることを感じされられた。
豊富な加工ノウハウで海外でも高い競争力
寿原テクノスは、主に自動車関係のアルミダイカスト金型(平均800トンクラスから最大2500トンまで)を製作している。北米や東南アジアなどからの受注もある。
当社は、かねてより海外との厳しい競争に対抗できる体質作りを進めてきた。
「人件費の高い日本メーカーが競争力を高めるには、工数削減が一番のポイントです。」(製造部部長 伊藤孝昭氏)との観点から、さまざまな合理化が行われている。

工場内観
たとえば、金型製品部分の加工は、自社開発のクランプシステムを使って黒皮の四角い材料を歪んだままで加工させ、通常5工程かかるところを2工程に集約し、リードタイム短縮と減価低減につなげている。このとき、特殊なジグを使用し、重切削でも振動がないことをテスターで確認してつかみ代を設定するなど、合理的、理論的な検証を行っている。
また、放電加工は減らし、なるべく切削加工する方針であり、高硬度材の加工ノウハウ蓄積にも力を注いでいる。他社でできなかった高硬度材(HRC48-50)の直彫り加工を依頼されこともあったが、「HRC50の材料では、アスペクト比20D の工具まで使っています。」(伊藤部長)と直彫り加工のノウハウも豊富であり、工具の研磨師を抱えているので、三分の一の工具代で納めることができたという。
シフト制はしいていないが、マシニングセンタの月間稼働時間は、600時間から720時間に上り、フル稼働状態である。
2006年 CimatronEを導入

ダイカスト金型の例
寿原テクノスがCimatronEを導入したのは、2006年のことであった。従来使用していたCAMシステムでは、増加する仕事量に対応できず、十数名のCAD/CAM部隊の人員を増やさずにデータ供給能力を高めることが目的であった。
特に人のかかわる時間を短縮するため、全体作業時間の80%を占めるモデリング時間の短縮を重視した。主要な数社のシステムを検討し、その他、パス計算時間、パスや加工面の品質、電極機能なども総合的に判断してCimatronEを選択した。旧シリーズのΦSTATIONが金型分野で定評があったこと、サポート体制がしっかりしていることも選定の理由であった。
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