【切削加工品メーカー】ソフトと機械の機能連携でベテラン技術者のノウハウをデータベース化!全ての社員が作りたいものを作れる環境に【タイコーテクニクス株式会社】
本記事では、ソフトウェアと機械の機能連携でベテラン技術者のノウハウをデータベース化し、全ての社員が作りたいものを作れる環境に取り組む、タイコーテクニクス株式会社様のGO2cam・NCSIMUL事例(インタビュー)をご紹介いたします。
目次
会社概要と強み
弊社は、主に半導体製造装置メーカー向けに切削加工品を提供しているメーカーです。
以前は鉄やステンレスなどの加工品も対応していましたが、競争力を高めるために、現在はアルミ加工に特化しています。
加工用のGコードを機械に手打ちする工程が生産性向上のネックに
私は元々、CGなど映像系のデザイナーを目指していました。2003年に父の経営するタイコーテクニクスの事業を手伝い始めて、リーマンショックの後に経営を引き継ぎました。
私が事業を手伝うようになった当時は、加工プログラム(Gコード)を手入力していた機械もあり、加工データ作成に時間がかかっていました。
手入力を廃止するため、対話コントローラとCAD/CAMを使用すべきと考え、GO2cam(当時GOelan)を導入しました。
また、顧客の需要が急速に増えている市場に対し、「新型の5軸加工機」と新たな「5軸向けCAM」の必要性を感じるとともに、市場に追いつくための社員教育への時間とコスト面の改善が課題でした。
シンプルな機能で教育の時間を短縮
弊社が5軸加工機でもGO2camを採用し、今まで使い続けてきた理由は、無駄なものがなく、シンプルであるという点につきます。
導入にあたっては、GO2cam以外のソフトも比較検討しましたが、他社のソフトは不必要な機能が多い分、教育に時間がかかることがネックとなりました。
その点、GO2camは余計な機能がついていないので、教育の時間が大幅に短縮できました。同時5軸を含む、ほとんどの部品の加工パスはGO2camで作成しています。
また、「自分自身で作れる感動や喜び」を社員に体験してもらうことを大事にしています。まずは技術より、ものづくりの喜びを早く感じて欲しいです。
「オペレーションリスト」で若手にノウハウが詰まったデータを継承
GO2camの機能の中でも、「オペレーションリスト」機能をよく活用しています。
オペレーションリストでは一度作成した工具・切削条件・加工方法などのノウハウを保存し、再活用が可能です。
そのため、先輩社員が作成した加工パスを後輩社員が読み出し、ノウハウの詰まった加工の動きをGO2camのシミュレーション機能やGコードシミュレータ「NCSIMUL」で確認しながら学習をしています。
夜間に機械を動かす仕組みの確率で売り上げアップ
CAD/CAMだけではなく、工作機械にも投資をしています。
現在15台のマシニングセンタが稼働し、そのうち4台はパレットチェンジャー付きです。
日中に入力した加工プログラムを活用して、夜間や土日に機械が加工する仕組みを確立したことで、機械の稼働率が大幅に向上し、数千万円分売り上げパップを実現できました。
これも、ソフトを使って加工データの作成時間を大幅に短縮できたからこそ、実現したと考えています。
ものづくりが好きな若者が作りたいものを作れるようにしたい
今取り組んでいるのは、GO2camと工作機械の対話AIコントローラを組み合わせた“誰でもすぐに5軸加工を始められるシステム”の構築です。
例えばCAD/CAMは加工パスを作成するのは得意ですが、製造業現場での微調整には時間がかかります。
一方、対話AIコントローラは加工パスを一から作るのは不得意ですが、現場で工具などの条件に合わせて微調整することには長けています。
この両者の得意分野を組み合わせて活用することで、加工用のコードを作るのではなく、絵を見ながら選択するだけで加工が始められるシステムが作れます。
工作機械の研究を進める中で、YouTuberの「ものづくり太郎」さんと接点ができ、動画で弊社をご紹介いただきました。
先日再びお越しになり、スタッフの方に実際に加工をして頂いたのですが、全くの未経験から3日間で簡単な加工ができるようになりました。
私には、社員一人一人が好きなものを作ることをチャレンジできるようにしたい想いがあります。
その実現のために、これからもCAD/CAMや高機能な工作機械を使いこなして、社内の改善を進めていきたいです。
ホームページ:https://www.taikotechnics.com
所在地: 熊本県合志市竹迫355-3
創業: 1991年
事業内容:5軸加工による各種金属加工部品の製造販売
マシニングセンター・五軸機械加工にて金属機械加工を専門としている会社。また、自社の高い加工技術を活かして、オーディオアクセサリーなどの自社製品の開発も進めている。