【金型プレス独立系メーカー】超ハイテン冷間プレスが強みの協和工業 Cimatron 3Dプレス設計の有効活用により、工期5割短縮を実現【協和工業株式会社】

目次
会社概要と強み
当社は、CAE解析・3DCAD/CAMによる独自のプレス金型設計技術により、金型製作・量産プレス加工・サブモジュール化に至る一貫生産体制を構築している独立系企業です。
金属プレスの中でも特に難しいとされる、超ハイテン材(超高張力鋼板)の冷間プレス技術開発に2000年初頭から取組み、現在では1.2GPaクラスの安定量産対応や、1.5GPaクラスの研究開発対応のため、超ハイテン材で製品実現をするプレス・金型技術に磨きを掛けています。
サステナビリティ(持続可能性)が最優先課題となった現在において、超ハイテン材の冷間プレス技術を活かした「より軽く、より安全な」製品は、CO2排出量削減のため燃費向上が必要な自動車部品をはじめ、様々な業界に採用されています。
多様なニーズに対応するため、3DCAD/CAMソリッド(1996年)をいち早く導入し、独自の金型設計システム「LBデザインシステムLimit of Basics Design」を構築。
金型製作・量産加工・研究開発での知見、問題点、測定データ等をデータベースへ集積、次期金型設計へ継続的にフィードバックし、金型設計技術の向 上および安定生産に取り組んできました。

モデリングや加工用プログラムの作成に膨大な時間をかけていた
以前は、他社の3DCAD/CAMを使用し、形状設計から加工用プログラムの作成までを行っていました。
しかしプレス金型設計に特化した機能はなかったので、ストリップのレイアウト等、 設計時に必ず行う各種のパラメータの設定を設計者が手作業で行う必要がありました。
さらに、加工用プログラム作成出力に至るまでに膨大な時間が掛かっておりました。
また、加工指示のモレなどによる差戻しが発生するなど、課題が多くありました。
同時期に、新事業として金型の外販に取り組むタイミングでもあり、設計工程での作業時間削減は、必ず改善しなければいけない課題でした。
機械などのハード面で改善できることは、既に取り組んでいましたので、運用面やソフトを見直すべく、加工指示の標準化と共に、新しいCAD/CAMを探すことになりました。
付き合いのある商社や同業社から情報を集め、紹介してもらったソフトの中から、試作・金型製造に特化した開発コンセプトをもつCimatronを採用しました。

ストリップレイアウト機能を活かした中間形状設計で3割工期短縮
「順送プレス型を設計するときは、まず製品の形状設計を行い、成形解析、その後金型のストリップレイアウトを展開し、3Dデータのモデルを作成するのですが、Cimatronはストリップレイアウト機能が非常に長けています。
ブランク応力やパンチ応力を視覚的に確認できる機能や、ダイセットをセットアップツールから簡単に設定変更出来る機能などにより、これまで手作業だった部分が3割も工数削減しています。

CAMにおいても、自動ドリルなどの機能を自社金型ベースに構築していったところ、CAMデータ生成工程で5割強の工期短縮を実現することが出来ました。
プレート穴加工においては自動ドリル機能を用いて1人1日、4枚が限界だったものが15枚まで可能となり、加工モレによ る手戻りがゼロになっています。
加工工程の最適化により、正しいCAMデータが早く出来上がり、そのため初回試打ちの開始が以前に比べて1~2週間早く開始できるようになりました。

手厚いサポートがシステム立上に大きく貢献
より効率的な生産を目指して
ちょうどCimatronのオプションに機上測定の機能があるようなので、現在セイロジャパンさんへ相談をしているところです。
当社はこれまで、超ハイテン材のプレス技術を長年研究し、高品質な製品をお客様に届けることが出来るまでになりました。
引き続き技術を向上させていくと共に、より多くのお客様に、より早く製品をお届けできるよう、社内の改善を進めて参ります。
<インタビューご協力>
協和工業 株式会社 様
ホームページ:https://www.kyowaindustry.co.jp/
所在地: 静岡県湖西市吉美3400
創業: 昭和39(1964)年4月
事業内容:4輪自動車用部品及び産業機械用部品 プレス用金型の設計開発
超ハイテンプレス技術を有する、金属プレスの独立系メーカー。自動車向けをはじめとして、様々なメーカーの軽量化及び高強度化のニーズに対応している