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Moldex3D導入事例│製造業向けCAD/CAM/CAEシステムのセイロジャパン

日精樹脂工業株式会社様【射出成形機メーカー】樹脂特性デ−タの充実と解析ソフトへの期待

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日精樹脂工業株式会社様【射出成形機メーカー】樹脂特性デ−タの充実と解析ソフトへの期待

射出成形機のインテリジェント化にむけ、Moldex3Dに大きな期待

プラスチック射出成形は、ペレットから最終製品が1工程で完成できる大変優れた生産加工だ。しかし、樹脂の特性や製品形状、金型設計などにより、色ムラやショートなどさまざまな問題が発生してしまう。その問題を解決するには、金型内での樹脂の挙動を確実に把握する必要があり、そのために有用なツールが流動解析システムである。
射出成形機の専門メーカーとして業界をリードしてきた日精樹脂工業は、同社の射出機で成形されるプラスチック製品の品質向上や、射出成形機自体の性能や操作性向上などの目的から、樹脂流動解析システムを活用してきた。2000年4月には、同社にとって2代目となる解析ソフトとしてセイロジャパンが提供するMoldexを導入した。


製品開発のリードタイム短縮や品質向上、コスト低減などのニーズから、解析の必要性が高まっている。適切な解析を行うことで、試作回数を削減できるばかりでなく、製品開発のあらゆるフェーズでの効率化が期待される。射出成形機の専業メーカーである日精樹脂工業でも、成形機自体の設計に解析システムを活用している。射出成形機の設計への活用に加え、同社の射出機で成形されるプラスチック製品の品質向上、ひいては射出成形機自体の性能や操作性向上などの目的から、長年、樹脂流動解析システムを活用してきた。


技術研究所 副所長 山極佳年氏

成形という生産手法を数値化するために

同社 技術研究所 副所長 山極佳年氏によると「射出成形は、プラスチックのペレットから最終製品が1工程で完成できることから生産加工の技術としてはとても優れているのですが、プラスチック材料は数値化されにくいのです。そこで、成形というものを数値化して捉えてみたいというニーズから流動解析を行ってきました」という。数値化されにくいことから、成形の担当者にはいわゆる職人芸が求められ、工場全体を「何々さん条件」という担当者の感性を第一とした条件で稼働することも多い。数値化するための第一歩として、圧力センサや温度センサなどを金型内部に仕込み、実際に射出成形を行ってデータを収集することから始めた。同時に、成形機自体の動きや温度などの周辺情報も得るようにした。「成形がどのように行われ、成形品がどう作り込まれるか」を見るためのものだ。

しかし、仕込めるセンサの数には限りがある。「いかにデータを収集しても、ポイントの情報しか得ることができません。このポイントの情報を製品の成形過程全体に展開するには、採取デ−タ解析とともに推論が必要であり、流動解析手法が必要となったのです」(同氏)。加熱溶融された樹脂がキャビティ内に押し出されて内部に充満し、その後保圧し冷却されてから取り出される、という一連の動きを追うには解析システムは非常に有効な手段であった。そこで同社は、1980年代の末から流動解析システムを活用しており、現在、2代目の製品としてセイロジャパンが提供するMoldexを採用した。

上:粘度データ
下:PVTデータ

同社が導入した初代の流動解析ソフトは、UNIXワークステーションで動作するものだった。「流動解析は非線形解析であり、コンピュータへの負荷が大きな解析のひとつでなるべく精度を上げて欲しいと思うのですが、初代のソフトは90年代の前半の時流であった製品のバラエティを増やす方向が強く、限界を感じた」(同氏)ことから、ここ数年いくつかの流動解析ソフトを再検討していた。「流動解析の実務経験から成形加工技術の向上はその中心にある溶融樹脂特性を理解すること、つまり数値化することが非常に重要であり、成形加工の技術者がより客観的に溶融樹脂を評価できる環境作りが必要」と実感し、「現在の計測技術では「成形加工現象」の多くが解明できていないことは事実であり、その結果、流動解析ソフトの有効性を否定する人も多い。しかし成形加工の上流(製品設計)から下流(成形加工)まで、それぞれの現場において待ったなしの技術向上が要求される中、少しでも良質なアウトプットをするためには、絶対さけて通れない手法と考えている」(同氏)ことから、流動解析ソフトの選定にあたっては、解析精度にこだわり、樹脂デ−タにこだわり、より優秀なアルゴリズムの追求にこだわるソフト開発技術者の存在を感じさせるソフトにこだわった。

樹脂特性デ−タの充実と解析ソフトへの期待

樹脂流体を解析するには、樹脂の持つ温度と粘度の関係がさらに計算を重くする。射出成形では、樹脂を加熱溶融し何トンという高い圧力をかけて、ゲートからキャビティ内に一気に樹脂を送り込む。その時ゲート部分では、10の4乗から5 乗というせん断速度になる。また、同じ金型内でも肉の厚さによって流入する樹脂の速度が変化する。このせん断速度は、その時の温度との関係を含め、溶融粘度を大きく変化させる。
また、樹脂の比容積は、温度と圧力によって変化する。この圧力・温度・比容積を見るPVT特性も重要なデータである。


Moldex解析結果:保圧完了時圧力分布

成形品の品質を解析するためには、その時の樹脂状態と状態(流れ方)の把握が第一で、この樹脂材料の粘度やPVTを考慮した解析が必要となる。「金型内で見ることができない樹脂の挙動を見極めるには、状態変化時の挙動を追えることがポイントとなります。ですから『成形加工現象』は複雑で多くが解明されていない現状では、精度を犠牲にする簡易解析には興味はありません」(同氏)。以上の結果を踏まえてのMoldex採用であり、同氏は、本解析を感じさせない演算速度の速さに「優秀なアルゴリズムの追求」を感じ、樹脂特性デ−タへのこだわりやつじつま合わせの結果処理をあえてしない姿勢から精度のより一層の向上を期待している。

Moldexの開発元には技術系企業としての厚みが見える

日精樹脂製計測システムDLAによる
丸ケース試験型射出成形実測データ

さらに山極氏は、Moldexが導入しやすい価格帯であるという点も高く評価する。解析は、従来、解析専門の部署に依頼することが多かった。解析のために大きなコンピューティング・パワーを必要とし、解析条件の決定や解析結果の解読などにも高い専門性が必要だったからだ。現在、市販されている解析ソフトは、一般に解析精度や速度に大きく影響するソルバーの高性能化に加え、操作性の要となるプリ・ポスト機能も充実している。解析の専門家に頼らなくても、設計や生産の現場でも活用できるようになってきた。「より加工現場での活用を考えた時、演算の高速性と低価格が期待できるMoldexの魅力は大きい」(同氏)。

開発元のレスポンスの高さも良かった。「こちらが指摘した部分をわずか1週間で修正したこともありました。これだけ素早い対応ができるのは、Moldexの開発者達が多くのカードを持ち、さらに基礎的な部分での広い土台を備えているのでしょう。そのことを、同じ技術の人間として強く共感しました。技術系の企業としての『厚み』が見えるのが嬉しいですね」(同氏)とのこと。この感覚は、技術者であれば理解できるのではないだろうか。

解析の精度を向上させるには、解析アルゴリズムの改善に加え、樹脂データの精度向上が必須となる。「ここまで流動解析が一般化してきたことから、各製品でソフトウエア的に非常に大きな違いを見ることは少なくなってきました。Moldexは、樹脂データの精度を上げるという基本的なことをきちんとやっている点も評価しています」(同氏)。こうした製品開発コンセプトが、技術者の心を掴んでいる。射出成形機の専門メーカーとして業界をリードしている日精樹脂工業。その技術研究所で高く評価されるMoldexは、プラスチック金型メーカーにとって非常に強力なツールであるといえるだろう。また、「現在、射出成型機をインテリジェント化するというニーズが高まっています。


Moldex解析結果
型内センサー位置相当樹脂圧力

そういった要求に応えるためにも、樹脂流動解析のデータが必要となります」(同氏)という。日精樹脂工業にとってもMoldexによる樹脂流動解析によって得られる各種データにより、成形機自体のより一層の性能向上を図ることが可能となる。日精樹脂工業にとっても多くの金型メーカーやモールダーにとっても、Moldexへの期待は非常に大きい。

 

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