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Cimatron導入事例│製造業向けCAD/CAM/CAEシステムのセイロジャパン

株式会社シマノ様【部品製造メーカー】NCプログラム作成の効率化、加工品質の標準化を図り、金型製造のリードタイムを短縮

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株式会社シマノ様【部品製造メーカー】NCプログラム作成の効率化、加工品質の標準化を図り、金型製造のリードタイムを短縮

NCプログラム作成の効率化、加工品質の標準化を図り、金型製造のリードタイムを短縮

製造のリードタイム短縮や製品品質向上のカギを握っているCAMシステム。株式会社シマノ(以下シマノ)では高速加工に対応したスピーディーなパス作成、加工品質の差を縮める標準化などを目指してセイロジャパンのΦSTATION(海外名CimatronIT)を導入。想定した課題解決に加え、自社オリジナルの加工指示書の自動作成により大幅な省力化を実現するなど多大な成果を挙げた。

金型製造のNCプログラム作成のスピードアップを目指して

シマノはアウトドアスポーツを代表するサイクリングと釣りの2つの分野を中心に、さまざまな製品を提供している。自転車部品部門では、プロレーサーから一般消費者を対象に、駆動部という自転車の中枢部の製品から、ホイールやシューズに至るまで幅広い分野で世界各地に高性能の製品を供給し、高い評価を獲得している。シマノの変速機を搭載していることが有力な宣伝効果にまでなっているほどだ。
釣具部門においても、ソルトウォーターフィッシングをはじめ、あらゆる分野でシマノならではの高い機能と品質で消費者の期待に応えている。またここにとどまらず、より積極的な提案型集団への飛躍をめざし、1997年にはアクションスポーツ事業部を発足させ、スノーボードのビンディングシステムをはじめ新たなスポーツ分野に領域を広げ、人と自然との関わりに情熱を注いでいる。
近年、世界的に環境保全への関心が高まる中で、「人は自然の一部という本来の姿を再認識し、ともにある歓びを感じられる豊かな関係を築くこと」。それが製品を通じたシマノの究極的な企業テーマである。

そのシマノでは製品の開発・設計・製造に早くからCAD/CAMシステムを使ってきた。部品製造の基盤となる各種金型の設計・製造においても当然、CAD/CAMは大きな効果をあげてきたが、最近その活用面で大きな課題が浮上していた。その最大のものはCAM面におけるバス作成のスピード化と効率化、現場における加工品質の標準化であった。
「これまで金型加工の現場ではCAMシステムとして他社UNIX系システムを使用していましたが、最近になってその作業効率が大きな問題となってきました。最近では現場に超高速マシニングセンターが導入されるなど、加工のスピードアップが進んでいました。従来のCAMシステムではバス編集作業が多く、そうした加工スピードをフォローしきれないのです。特に問題となっていたのは、MCに加工命今を指示するバス作成のスピードと効率性です。これまでのシステムでは、最近の高速加工に対応するスピーディーなパス作成ができず、この問題を解決するため新たなCAMシステムの導入が急務となっていました」とシマノ製造部型設計型CAM係班長の山岡泉氏は語る。

加工ノウハウの標準化による品質向上も大きなテーマ

一方、加工の標準化も大きな課題であった。すなわち作業者によって、金型加工の品質に差が出ないようにする仕組みの実現である。
「ベテランから新人に至るまで、オペレーターにはそれぞれ技量の差があります。バス作成にはオペレーター自身の工夫が施されており、金型加工の手順をどう組み立てるかによって加工スピード、加工品質に違いが出てくるわけです。しかしこれでは品質にばらつきが生じてしまいます。この差をできるだけめて、全体的に加工品質を向上させるという課題も抱えていました。この題を解決するには、バス作成を簡単な操作で自動化してくれるCAMシステムが求められてきます」と山岡氏は語る。

50,000mの回転が可能な高速加工機口金現場の主役的存在である

この目標に基づき、山岡氏の部署では10にものぼる主要なCAMシステムをリストアップし、綿密な評価を行った。最終的には2製品に絞り込み、さらに詳細な評価を約6ヵ月にわたって実施した。
「その結果、選択したのがΦSTATIONでした。何よりも豊富な加工機能を備えていること、バス作成を容易に行える多様なテンプレートが搭載されており、加工ノウハウの標準化に大きな効果があるという点が最大の決め手になりました」と山岡氏は語る。

自転車部品用金型
これは自転車のブレーキレバー製造用だ

シマノが世界に誇る自転車部品
優れたCAD/CAMシステムがその精度を担っている

ΦSTATIONは知識ベースのアルゴリズムにより、高速・高精度切削を可能にする。工具負荷一定制御、シャープコーナー丸め機能、突き加工による荒取りの効率化、ホルダー干渉チェックなどの最適制御機能を備え、さらに加工形状認識、自動NC、ストック残り形状認識といった先進技術により加工プロセスを大幅に自動化する。こうした特長がΦSTATION導入の大きな決定理由だったという。

パス修正の必要が激減し作業時間はほぼ3分の1に

ΦSTATIONを導入したシマノでは現在、自転車部品金型、釣具などのプラスチック部品金型、鍛造部品金型の彫り、および電極加工に活用している。□「活用を開始して以来、バスの品質は格段に高まりました。それまでは1加工あたり5、6ヵ所のバス修正を行っていましたが、そうした修正の必要がほとんどなくなりました。バス計算もきわめて速く、作業時間も大幅に短縮しました。ほぼ3分の1ぐらいになったという実感です」と山岡氏は満足そうだ。
高速加工機についても良好なバスが作成され、高速加工のメリットも十分に発揮されている。またシマノ独自のオリジナルな加工指示書も、ΦSTATIONは柔軟に取り込んで、バスを自動的に作成してくれた。これにより作業の効率化が図られ、生産性は飛躍的に向上した。「テンプレート機能により、加工ノウハウの標準化も進んでいます。経験の浅いオペレーターでも、熱したオペレーターに近い加工ができるのです。これにより全体的な加工品質のレベルアップが実現し、最終的な製品の品質向上にも大きく貢献しています」と山岡氏は語る。

グレードアップ版のCimatronにも大きな期待

山岡氏はΦSTATIONのアップグレード版であるCimatronにも大きな期待を寄せている。CimatronのCAD/CAM環境は、スピードと柔軟性に一層磨きがかかり、金型向けにさらに最適化されている。金型製造段階においても、高速加工の仕掛かり形状認誰やテンプレート管理を容易に行える機能をフルに発揮し、5軸までの加工を実現するとともに、バス作成から加工に至るまでの時間をさらに短縮する。
また階層型データベースを活用することにより、設計から製造全般にわたる設計変更と自動更新に対応する。現在シマノでは、ΦSTATIONからCimatron-Eへの移行を進めつつある。
「同時5軸加工が容易に行えれば、加工時間は現在よりさらに短縮されます。CAD/CAM全体でだいたい50%の時間短縮が図られると見ています。またCimatronはエンジニアリングデータを一元管理することで、コンカレントエンジニアリングを実現してくれます。我々としてもCimatronに大きく期待しています」と山岡氏も期待感を込める。

インタビューご協力

協力会社 株式会社シマノ 様
ホームページ https://www.shimano.com/
所在地 本社:大阪府堺市堺区
創業 1921年
事業内容 自転車部品、釣具、ロウイング関連用品等の開発・製造・販売
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